ファーストタッチな日常記

意外と普通な音鉄です。

自放音源=旧放送って思ってませんか?

自放音源は!!!

旧放送では!!!

ありません!!!!

 

すみません冒頭から取り乱しました。申し訳ありません。反省はしてません。

 

みなさん自放音源といえば何を思い浮かべますか?

はい!そこで『旧放送』と一瞬でも脳裏に浮かんだ方!!先生怒らないので、正直に手をあげてください。

 

…冗談はさておき、音鉄界隈で最近自放音源に関するある勘違いが広がりつつあると思いましてこの記事を書いています。というのも「自放音源=旧放送」という考えが以前から広く出回っている気がするんです。

 

それ、5階です。

 

間違えました。

 

それ、誤解です。

 

「いやなんでやねん」って思った方、多分いらっしゃると思います。なぜなら最近旧放送が自放音源として復活した例がありましたからね。

2021年2月頃、JR品川駅4番線でATOS放送が切られ自放音源であるユニペックス型放送が流れました。特筆すべき点は接近チャイムです。ATOSが導入される1998年以前に使用されていた京浜東北線独自の接近チャイムがこの時突如復活したのです。当時音鉄界隈はかなり大騒ぎになりましたね…30年前の放送が復活したと。

…ん?でもちょっと待った。

その放送、本当にATOS導入前まで使用されていた旧放送なんでしょうか?

京浜東北線ATOSが導入されたのは1998年頃。その時までの品川駅の放送は確かにユニペックス型放送でした。ただ2021年に自放音源として流れたのは同じユニペックス型放送でも後期タイプでした。1998年の時の放送がそのまま使用されていたとすれば前期型か中期型のはずです。前期型というのは男性が独特なトーンでアナウンスしていたタイプで、中期型は今のユニペックス型の男性で声が若かった頃のタイプです。しかしこの時の放送はどちらにもあてはまらない後期型だったんです。この時点で旧放送では無いことが立証されますね。実際ATOS導入後に装置は交換されており、自放音源もそのタイミングで更新されています。あくまでもATOS導入前の接近チャイムが復活しただけなんです。おかわりいただけたでしょうか。

 

自放音源というものは放送装置に内蔵されている放送音源なので、装置が更新されると自放音源も同時に更新されてしまうんです。なので例えATOS導入まで放送が変わっていなかったとしても、導入後に装置が交換されてしまったら旧放送はその時点で無くなってしまうんです。

またATOS導入前に使用していた放送が連動型放送(武蔵野・京葉PRCなど)だった場合はそもそもシステムが変わっている上に、流れる装置が異なるため自放音源として流れることはまずありません。あくまでも中身の放送装置が変わっているかいないかで、自放音源は変わってくるということなんです。

 

ではATOS導入前の旧放送が自放音源として残っている駅はもう無いんでしょうか。

実はそうでもありません。例えば導入前まで連動型放送が導入されておらず、ATOS導入に備え放送装置を更新した場合は、その時点で一回放送が変更されるので、そのまま自放音源として使用される場合があります。

例を挙げると横須賀線の逗子〜衣笠駅は2009年のATOS導入直前に放送装置が更新されており、同時に仙石型放送から巌根型放送に変更されました。つまり巌根型放送が実質ATOS導入前に使用されていた旧放送ということになります。そのままATOSが導入されて装置は交換されていないとすると、旧放送が現在も自放音源として使用されているということになります。ただ既に装置導入から14年が経過しているため更新されている可能性がありますのでご了承ください…

 

さていかがでしたでしょうか。この記事を通して少しでも自放音源に対する考え方が変わってくだされば幸いです。

いや待てよと。んじゃそもそもあんたは自放音源のなんなんだよ、と。

私ですか?私はただの放送装置考察委員会のものです。放送装置は考察してなんぼの世界です。さぁみなさんも放送装置考察委員会に入りましょう(勧誘)

先日成田駅近くで開催されたイベントにて展示されていたPanasonic製の簡易放送装置。普段都心の多くの駅で聴く発車メロディーはこんな感じの機械から流れているんです。